法然 極楽浄土への祈り
激動の幕末、絵師・月岡芳年に宿る狂気
陰陽師と古代暦の世界
平泉 奥州藤原氏と仏国土の夢
争いのない理想的な仏国土を築きたい――。前九年・後三年合戦によって多くの命が失われた東北地方では、奥州藤原氏による切なる願いが浄土信仰と融合することで平泉に史上稀なる町が築き上げられた。敵味方の区別なく、戦没者たちを弔う。その崇高な祈りの結晶が中尊寺をはじめ、各諸寺に込められたのである。 しかし初代清衡、二代基衡、三代秀衡と時代を経るなかで、再び戦火が迫り来る。それが全国を巻き込んだ源平の合戦だった。奥州藤原 氏とは何か、そして極楽浄土への思いとは。各寺院や史跡を巡り、その夢の跡をたどる。