- 吉川英治による小説や横山光輝の漫画、そして川本喜八郎の人形劇などそれぞれの分野の作家たちが、思いの丈を込めて描き出してきた『三国志 』の世界。なぜ、私たちは1800年という時を超えて、なおこの物語に魅了され続けるのだろうか。
諸葛孔明や曹操、劉備、関羽、張飛......理想と現実の間で、信念のもと駆け抜けた英雄たちの生き様は、 時として挫けそうになる私たちの心を支え、そして前へ前へと突き動かしてくれる。
今回は人形美術家・川本喜八郎が残した数々の人形を眺めながら三国志を紐解きたい。第一章、三国志の時代は後漢末期の混乱から始まっていた。
群雄割拠のなかで登場したのが、後に魏・蜀・呉の祖となる曹操と劉備、孫権をはじめとした英雄たちだった。
続く、第二章。
曹氏の魏、劉氏の蜀、孫氏の呉とそれぞれが皇帝を名乗る三国鼎立の時代へと突入する。
しかし多くの英雄は、 志半ばで次々と世を去る。
そして登場したのが司馬氏である
ルポページの再掲載も実現。
曹操や孫権のような経済基盤を持たず、ゼロからの出発で蜀の皇帝に登りつめた劉備。
彼こそ三国志の真の主役である。
その劉備を支え、導いた諸葛亮も史上稀なる忠臣。
ふたりが苦心の末に築き上げた夢舞台を見ていきたい。
時代を超えて愛される大きなテーマに、改めて向き合いたい。
CONTENTS
1 表紙
4 目次
6 人形アニメーションに情熱を燃やした作家 川本喜八郎に捧ぐ
14 Special Interview 人形アニメーション作家 細川 晋
16 連載開始50周年!横山光輝『三国志』
20 大人が読みたい正史 三国志川本喜八郎、人形に魂を込めて
23 第一章 正史から読み解く三国志 英雄黎明編
24 【巻頭コラム】 読む前に理解しておきたい!『三国志』と『三国志演義』の違いとは?
26 【序章】はじめに漢ありき──
28 155-192年 漢の“忠臣”曹操の誕生と旗揚げ
34 196-207年 献帝を救い中原を制す
38 184-208年 劉備の登場
42 190-208年 孫呉の成り立ち
46 COLUMN “天下三分”は誰のアイデアだったのか?
48 208年8月-12月 赤壁の戦い、その顛末
52 209-215年 潼関の戦い
56 COLUMN 英雄が愛した可憐なる3人の良妻
60 【特別グラビア】川本喜八郎人形の世界 劉備
61 【時空座談会】「人形劇 三国志」と川本喜八郎の記憶を継ぐ人々
66 三国志の時代[略年表]
67 第二章 魏・蜀・呉の勃興から滅亡まで 三国死闘編
68 208-253年 甘寧の胆、張遼の武
70 219年1月-5月 劉備、漢中に立つ
72 219年 荊州争奪戦
76 220年 遺言に見る曹操の想い
80 220-226年 曹魏の全盛と衰退
82 221年-223年 劉備、最後の言葉の真意
84 228-234年 諸葛亮の野望と限界
88 252年 孫権、暴虐の晩年
92 238-280年 司馬懿の偉業
96 歴史家・陳寿の謎めいた生涯と“三国志”に込めた想い
99 【ルポルタージュ】益州・成都の夢舞台
108 京劇の中で演じられる三国志の世界
110 シブサワ・コウ氏が語る「三國志」シリーズ三十年史
114 鈴木亮浩プロデューサーが語る『真・三國無双』とゲーム作りへの情熱
118 大陸から見た倭という島国とは? 『三国志』と『日本書紀』
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