- 2.4L V8新時代
──アロンソ連覇を翼賛した究極のチームワーク
2000年代初頭のF1グランプリは、ミハエル・シューマッハーとフェラーリによる完全支配の時代。
その流れを止めたのは、絶対王者が以前所属していたベネトンを前身に持つルノー・チームと、若き旗手として名乗りをあげたフェルナンド・アロンソだった。
シューマッハーとフェラーリのダブルタイトル6連覇を阻止した2005年シーズンにアロンソは初戴冠するが、どちらかといえばフェラーリが自滅した色合いが濃く、両者がぶつかり合った06年シーズンこそが、世代交代を懸けた真の戦いといえた──。
その06年シーズンにアロンソがドライブしたルノーR26は、開幕から破竹の勢いで勝ち星を積み重ねていく。新規定でエンジンがV10からV8に替わっても、ルノーとアロンソの強さに翳りは見えず……その最大の要因が車体の足回りにあった。
「マスダンパー」搭載のR26はまさに無敵の強さを誇ったが、その“秘密兵器”をめぐりシーズン中にも関わらず好調ルノーに厳しい裁定が下る。そして、シーズン後半──アロンソとルノーの目の前に絶対王者が立ちはだかる。
CONTENTS
1 表紙
2 Spirit of an Epoch Maker──Prologue
4 目次
6 逃げて、追われて、劇的連覇──Flash Back
12 「時代」を変えた先進性──R26 Analyze
16 培った自由と尊重──パット・シモンズ インタビュー
22 R26 Variations──レースごとの仕様とモディファイ
32 理不尽さとの戦い──その中で培ったチームの結束──ボブ・ベル インタビュー
37 剥き出しの“敵意”──ジェームス・アリソン インタビュー
42 奪われた創意──FIAが強硬に禁止したマスダンパー
46 R26 Detail File──マシンの細部を探る
54 V8化に革命なし──ドゥニ・シュブリエ インタビュー
58 ラ・マルセイエーズを奏でたエンジン──ファブリス・ロム インタビュー
62 制限を打ち破れ──2006年テクニカルレビュー
66 最高の花道。──ピエール・デュパスキエ インタビュー
70 痛恨の極。──浜島裕英が明かすタイヤ戦争の裏側と宿敵への想い
73 今もその魂はエンストンにあり。──ディノ・トソとの思い出
74 新王者の時代へ──GP Car Column
76 我がF1人生に悔いなし──ジャンカルロ・フィジケラ
80 Fernando Alonso──連覇という挑戦の果実
82 失うものなどなかった──ロッド・ネルソン インタビュー
86 死闘の果てに。──フェルナンド・アロンソ インタビュー
92 アロンソ連覇、ミハエル猛追も届かず──2006年F1世界選手権を振り返る/R26全戦績
94 3Dプリンターでフルスクラッチ──GP Model Story #36
98 次号予告
99 epilogue
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