- 『モーターファン・イラストレーテッド』207号の特集は「EVの答え合わせ」です。
個人的にはEVという言葉があまり好きではなく、なぜなら「EV」だけだと何を示すのかあいまいな印象を受けるから。BEV=バッテリーで動くEV、というのが本特集のテーマです。
BEVこそ正義、とまでは言いませんがその勢いで次世代環境自動車政策を進めてきた欧州と中国、そしてアメリカ。
テスラの急伸とサクセスストーリーを目の当たりにした日本の一部メディアは「日本は遅れている」「エンジンはもうおしまい」などという扇情的な報道を繰り返したりしましたが、電源をリチウムイオンバッテリーに頼るBEVはエネルギー源からも資源面からも長期の運用面からも課題は多く、少なくとも「新車販売におけるエンジン全廃」「電化率100%」といった目標はまだ先のこととなりそうです。
事実、過酷なCO2排出量目標を立てユーロ7で苛烈な数値を掲げていた欧州も、産業界からの強烈な反対にあい達成を後ろ倒し、エンジンについてもe-Fuel使用を前提に緩和を発表しました。
中国もBEVの一本足打法からハイブリッド車=HEVを含めた方策に転換。
断っておきたいのは「そらみたことか」とBEVを腐すことではなく、問題解決のためにはさまざまな手段が必要なのではないかという提案です。本特集ではそのような意味を込めて「EVの答え合わせ」としました。
1章に当たる「現状の把握と分析」では、まずは「答え合わせ」のコンテンツから。BEVの普及と運用には充電の現状をきちんと把握することが何よりも肝要。
ヨーロッパ全土での各種手段による発電事情と融通の様子から、BEVがどのような状況に今おかれているのかを考察しました。
2章は「次世代パワートレーン」の紹介です。最初に登場するのはマツダ・MX-30に搭載するe-SKYACTIV R-EVの解説です。PHEVという扱いにはなっているけど実は目指すところがBEV――というエンジニアの思いとシステムの構造を詳しくきいてきました。
CONTENTS
図解特集 EVの答え合わせ
Different powertrain technologies, which is best?
現状分析
このままBEVで突き進めるのか…いま起きている「迷い」の中身
[BEVインセンティブの現状を理解する]
15%に近付いたBEV比率 中身は「積極買い」か「補助金頼み」か
[BEV販売の実態を理解する]
次世代パワートレーンの検討
ロータリーありき、ではなかったxEV
[マツダ・e-SKYACTIV R-EV]
直動技術をモーターに活かす
[産業機器メーカーTHKが制作したプロトタイプBEV]
「横置きFR」という新しい選択肢
[トヨタ・クラウンクロスオーバー]
モーター駆動をさらに高効率化する
[シェフラー・DCU/iRWS]
水素ICEいよいよ始動へ 大型商用車のカーボンニュートラリティ
[IAV・次世代燃焼技術]
2ストロークで水素を燃焼させる
[丸山製作所・小型作業機]
商用車のカーボンニュートラル戦略とその方策
[いすゞ・次世代技術]
農林業用作業機の脱炭素化に貢献する2ストハイブリッドと電動パワーユニット
[やまびこ・パワートレーン技術]
2023年のxEV技術
all about駆動用バッテリー
[どれがふさわしいか、どうやって積むか]
最新BEVモデル、テクニカルカタログ
[日本市場で2023年12月現在、購入可能な国産&海外モデル]
BEV軽商用車への期待
[小口物流のステージでカーボンニュートラルに貢献]
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