- ヒューマンレーシング---人を通してレースシーンをひも解く
'60年代の世界GPを走ったホンダ多気筒エンジンのレーシングマシン“RCレーサー”の特集です。
ホンダは1966年に世界GPの50・、125・、250・、350・、500・のすべてのクラスでマニュファクチャラータイトルを獲得。
他方、125cc、250cc、350ccでもライダーによる個人タイトルを獲りました。
このときの一連のマシン群をホンダ社内では“RCレーサー”と呼んでいて、各RCレーサーは50ccが2気筒、125ccは5気筒、250・と350ccは6気筒、500ccは4気筒という、当時の二輪では珍しい4ストローク多気筒エンジンで構成されていました。
なぜこれら多気筒エンジンは誕生したのか?
その複雑なエンジン、メカニズムの実態はどんなものだったのか?――今号はその愁眉ともいえる250cc6気筒の「RC166」を核に、当時のRCレーサー開発室の技術的格闘を掘り下げます。
また、本邦初公開となる復刻されたRC166の6気筒・組立式クランクシャフトを掲載、その驚くべき構成と創意工夫のディティールに迫っています。
CONTENTS
006 多気筒マシンの誕生前夜――戦線拡大とライバルの台頭
012 全クラス制覇への疾走、その原資
014 RCレーサーの変遷とタイトル獲得の軌跡
016 THE SCENE from scenes / 1966 GP50――熾烈な戦いの先にあった悲運
020 Machine Gallery / 50cc Two Cylinders[1966 RC116]
026 切磋琢磨したライバル達・小排気量の牙城を築いたスズキ
028 多気筒化の理由と技術的広がり
030 THE SCENE from scenes / 1966 GP125――激戦を制した5気筒の雄叫び
036 Machine Gallery / 125cc Five Cylinders[1966 RC149]
044 THE SCENE from scenes / 1966 GP250――そして'60年代の驚愕は訪れた
052 ホンダ6気筒を育て上げた二人の偉大なチャンピオン
058 切磋琢磨したライバル達・多気筒化に成功したヤマハV4
060 Machine Gallery / 250cc Six Cylinders[1967 RC166]
066 Technical Review――かくしてホンダ6気筒は誕生した
086 RCレーサー エンジン&車体諸元一覧
090 350・6年連続完全制覇の誉れ、500・全クラス制覇に向けた最後の砦
094 伝説的活躍を支えた先人達の知見と教訓
098 Next Issue
099 Ending Story
ホンダの多気筒エンジンが出揃った1966年は、二輪の5クラスすべてでマニュファクチャラータイトルを獲得。
改良を加えた2気筒でライバルのスズキと接戦を繰り広げたものの、ある理由でライダータイトルを逃した最後のGP50参戦。
その50ccから生まれた5気筒が、初登場で見事タイトルを獲得したGP125。
そして、6気筒の投入から、出場レース全制覇、ライバルのヤマハとの格闘の末の2連覇というGP250の3年間を解説。
貴重な当時のカラー画像も多数掲載しています。
ホンダGPチームのリーダーだったジム・レッドマン、そしてライバルのMVアグスタから移籍し、エースライダーとなったマイク・ヘイルウッド。
このふたりがGP250とGP350で勝ち得たライダータイトルは延べ14年で11タイトルにもなります。
'60年代のホンダ黄金期を築いた偉大なチャンピオンの物語では、その経歴や活躍はもちろん、あまり知られていないふたりの友情の絆も描いています。華やかながらも危険なレース環境を生きたふたりの、心温まる内容です。
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