- 魔改造
改善か、政治的策略か──ビッグマイナーチェンジの是非
1990年第15戦日本GPから1994年第8戦イギリスGPまで「58戦連敗」。これはフェラーリF1史における未勝利期間のワースト記録。
この頃のフェラーリは、やることなすことすべてが裏目に出るほどの暗黒時代で、マクラーレン、ウイリアムズ、ベネトンと並び当時のトップ4チームを形成していたが、その枠からも振り落とされるほどの軟弱ぶりが目についた。
そんなどん底状態から立て直すべく登場したのが94年型の412T1。そのマシンを駆りゲルハルト・ベルガーの手でようやく連敗記録に終止符が打たれることになる。
完全復活には程遠い状況ではあったが、この1勝はのちのシューマッハー黄金時代への足がかりとなる勝利だったことは間違いない。412T1、そして94年のフェラーリを知ることは、後の無敵艦隊への過程を知ることにもなる。
CONTENTS
1 表紙
2 The appeal of Ferrari in those days──Prologo
4 目次
6 トンネルを抜けた先の景色は──Flash Back
14 塗り替えられた独自色──412T1 Analyze
18 孤独なる創造者──ジョン・バーナード インタビュー
28 412T1 Variations──レースごとの仕様とモディファイ
38 マラネロのスパイ──ニコロ・ペトルッチ インタビュー
43 レースウイークはいつも“板挟み状態”──ルイジ・マッジョーラ インタビュー
48 跳ね馬にふさわしい騎士像を想う──GP Car Column 1
50 412T1 Detail File──マシンの細部を探る
60 バーナードは空力もエンジンも分かっていなかった──後藤 治インタビュー
65 バックナンバー
66 黄金期へのルネサンス──4年ぶりの勝利は無敵艦隊誕生への第一歩
70 喝采と遺憾のシーズン──BERGER×ALESI×LARINI
72 「時代遅れ」が招いた代償──ジャン・アレジ インタビュー
78 栄誉と悲劇の狭間で──ニコラ・ラリーニ インタビュー
82 称賛すべき代打の健闘──GP Car Column 2
84 遅きに失した跳ね馬の復活。──ゲルハルト・ベルガー インタビュー
90 無知だからこそ生まれた美しさ!?──Wrap up 412T1
92 セナ死す。相次ぐ車両規則変更でF1混乱──1994年F1世界選手権を振り返る/412T1&412T1B全戦績
94 模型で楽しむ1994年フェラーリ 大改修“前と後”──GP Model Story #37
98 次号予告
99 Epilogo
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