- 千辛万苦のホンダ三期に差し込んだ一筋の光
1950年から始まったF1グランプリの歴史の中で、2004年シーズン以上に日本人ドライバーが勝利に近づいた瞬間はなかった。佐藤琢磨は予選ではシングルポジションの常連、入賞も複数回、さらに日本人初のフロントロウに、日本人として14年ぶりの表彰台にも立った。
琢磨の僚友ジェンソン・バトンも何度も表彰台フィニッシュを繰り返し、ふたりが駆るBAR006・ホンダの秘めたるスピードは衝撃的だった。結果的に優勝こそ逃してしまうが、圧倒的強さを誇示したディフェンディングチャンピオンのミハエル・シューマッハー/フェラーリを猛
若き日の「小松礼雄」を知る
現在、ハースF1のチーム代表を務める小松礼雄が、ひとりのF1エンジニアとしてキャリアをスタートさせたチームがBARである。おそらく当時の彼を知る物は多くはないはずで、04年当時、若き日の「小松礼雄」を自らが語るインタビューは貴重。のちにルノーへ移籍することで、そこで得た経験からチャンピオン経験チームと、新興チームの違いを技術者の目線で的確に分析する。アロンソにあってバトンにかなったものとは……
CONTENTS
1 表紙
2 sense of unity──Prologue
4 目次
6 目をつけられた潜在的速さ──006 Gallery
14 忘れられない感触──佐藤琢磨インタビュー
20 見よ、最前線で示す日本勢の存在感──Flash Back
26 異なる企業文化の狭間で──ジェフ・ウイリス インタビュー
32 006 Variations──レースごとの仕様とモディファイ
42 風洞を近代化せよ──ウイレム・トーエ インタビュー
47 未来を託せる天賦の才──アンドリュー・ショブリン インタビュー
52 ルノーにあって、BARになかったもの。──小松礼雄インタビュー
56 006 Detail File──マシンの細部を探る
64 第三期に轟く“再生”のホンダ・ミュージック Voice #01 田辺豊治──存在した車体開発とエンジン開発の壁
67 Voice #02 櫻原一雄──集大成のつもりで開発したRA004E
70 Voice #03 吉野 誠──夢の舞台で戦う多幸感と自責の念と──
73 「0勝」で名門の上に立つ価値──GP Car Column 1
74 ホンダの利益を最大限に──オットマー・サフナウアー インタビュー
78 あれから葉巻きは吸っていない──デビッド・リチャーズ インタビュー
82 今も変わらぬ景色のなかで──GP Car Column 2
84 タイヤが違いを生み出した──アンソニー・デビッドソン インタビュー
88 キャリアの礎を築いたシーズン。──ジェンソン・バトン インタビュー
94 ミハエル圧勝、18戦13勝でV7達成!──2004年のF1世界選手権を振り返る/006全戦績
96 BAR006、全バラ&リビルド大作戦──GP Model Story #38
98 次号予告
99 Epilogue
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