- 沢村賞2回、最多勝2回、生涯勝率7割7分5厘を獲得した、一番負けない投手が教えてくれる「人生のディフェンス力と心のスタミナ」
はじめに
・球春?という文字を見ると、真新しいユニフォームを着た球児たちの掛け声が聞こえてくる。
緑が芽吹き始めた土手の景色、完全には乾ききっていないグラウンドと土の匂い、ランニングを始めた選手たちのかすかな白い息、そして陽のあたる場所から立ちのぼる水蒸気。
野球という競技の、クライマックスへ向けた序章が・球春?なのである。
この日本独特の表現は、日本人の五感を刺激し、そして内なる興奮を高めてくれる。
正岡子規が「春風や まりを投げたき 草の原」(筆まかせ・明治23 年)と詠んだように、野球好きは春になったら、まり(ボール)を投げたくなるもの。
子規が生きた時代と現代では環境に大きな差があるかもしれないが、それでもボールを投げて、打って、走ってみたくなるのは、明治時代に野球というスポーツがわが国に紹介されて以降、多くの日本人の遺伝子に組み込まれた本能のようなものなのだ。
(本書「はじめに」より)
著者について
元プロ野球選手、野球解説者。1977年11月30日生まれ京都府出身。
150km超えのストレートと2種類のフォークを武器に、沢村賞2回、最多勝2回、最優秀防御率2 回、最多奪三振1 回など数々のタイトルを獲得し、球界を代表する先発投手として活躍。生涯勝率は.775で負けないエースとしてホークスの優勝に貢献。プロ野球ファンからは魅了した記憶に残る選手として称賛を受ける。
2007年の登板後、右肩の故障と手術により戦列を離れ、6年間に及ぶ懸命なリハビリに励むもマウンドには戻れず2013年に現役を引退。
引退後はテレビ東京・TVQ九州放送の野球解説者と西日本スポーツ新聞の専属評論家として活動。
2019 年には野球人生を振り返った初の書籍「野球を裏切らない」(著者 元永知宏氏)が出版される。
そして2020年4月に自身のYouTubeチャンネルを開設。
TVでプロ野球中継が放送されることが激減している昨今に於いて、 プロ野球人気を取り戻すべく野球の奥深さや楽しさ、そして選手にクローズアップした企画を発信している。
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