- 戦国武将が眠る霊峰であり、空海が求めた密教の聖地、高野山。 その歴史を紐解く。
平安～鎌倉時代の開基から武士の入山を描く第一章。
空海の誕生から弘法大師として語り継がれるまでの足跡をたどる。
遣唐使船での海路往復と恵果和尚との出会いと離別とは。
第二章では、戦国時代の戦乱の中の高野山。
人々に崇拝され、時の権力者の庇護によって聖域化された高野山。
戦乱の中に矜持を保つ高野山の生き様を見る。
徳川政権下の高野山をとりあげる第三章は江戸時代。
家康が高野山を手厚く遇したことで全国の大名もこぞって霊峰を崇拝した。
過去の因縁を忘れひとつ所に眠る大名や歴史上の偉人たちを訪ねてみたい。
激動の世界情勢と高野山を描く第四章の時代は近代。
近代化へ向け、急激な変貌を遂げる明治でおこる廃仏毀釈、版籍奉還。
今までにない概念が高野山にも押し寄せ、危機にさらされることとなる。
第五章は戦国武将と高野山の宿坊がテーマ。
徳川家康をはじめとした三英傑や大河ドラマ「麒麟がくる」で注目を集めた明智光秀など、
武将たちと縁のある宿坊を訪ねて、それぞれの物語を紹介する。
激動の時代を生きた人々に思いを馳せながら、日本人の精神性を探る旅へと出かけたい。
CONTENTS
1 表紙
4 目次
6 高野山 空海が求めた密教の聖地
8 〈巻頭特集〉鎌倉殿と北条政子 頼朝を弔った政子の想いとは？ 金剛三昧院
14 上杉謙信ゆかりの古刹に高野山文化歴史研究所がオープン 清浄心院
18 偉人たちの魂が集う超世の存在 なぜ高野山なのか？
20 高野山1200年、悠久の時を越えて、今──。
25 第一章・平安─鎌倉時代 開基から武士の入山
26 空海の生涯にみる 高野山成立と弘法大師伝説の誕生
28 嵯峨天皇の庇護を受け 紀州の霊山に伽藍を建立
30 空海入定し その存在は永遠となる
33 高野山霊宝館で観る 豊麗な仏教美術の数々
34 貴族から武士へ 源平時代と高野山
35 平清盛 弘法大師の化身と会い 根本大塔を再建した
36 北条政子 源頼朝の妻が建てた 現存の寺院と宝塔
38 【高野山ゆかりの人物事典】 其の壱 藤原道長・足利義満・平敦盛・熊谷直実
40 古地図と古写真で訪ねる 高野山 境内・奥之院
45 第二章・戦国時代 戦乱の中の高野山
46 武将たちが信仰せし霊峰
47 上杉謙信・景勝 世を捨て、高野山に隠棲しようとした
48 武田信玄・勝頼 その死から3年後、位牌が納められたと伝わる
50 武装化した聖地 覇王・信長と対峙 信長の紀州攻めを受けあわや全山が戦場に
52 信長に焼かれた比叡山 辛くも免れた高野山
54 忘れ去られていた信長の墓 妹・お市たちの菩提寺
56 天下人・秀吉が聖地に刻みし足跡 秀吉の紀州攻めと 根来寺の焼き討ち
58 秀吉、高野山を再興し 青巌寺を建立する
60 高野山を舞台にした 豊臣親子の確執
62 奥之院に眠る 豊臣一族の魂
63 【高野山ゆかりの人物事典】 其の弐 北条早雲・明智光秀・柴田勝家・黒田官兵衛・筒井順慶
67 第三章・江戸時代 徳川政権下の高野山
68 真田家三代の人物像 高野山に蟄居の後、武士の矜持を貫く 破れし武士たちの御霊を鎮める
72 真田幸村の足跡と共にたどる 高野山と大坂の陣
80 石田三成 生前に自らの墓を高野山に建立した
82 江戸の泰平を築いた徳川家の人々 徳川家康 三河の豪族から興り戦乱の世に終止符を打つ
84 徳川秀忠・家光 家光により高野山に建立された霊廟
86 徳川家霊台 絢爛豪華な須弥壇と厨子が残る
88 紀州と尾張の徳川家 高野山を手厚く保護、歴代藩主も眠る
90 名だたる雄藩の廟所が並ぶ奥之院 佐竹義重 義を貫く志が格調高き霊屋から伝わる
91 最上義光 東北の雄にふさわしい威厳を放つ石塔
92 伊達政宗 仙台の本家と宇和島の分家が肩を並べる
93 前田利家 高野山にふさわしい禅を捉えていた武将
94 島津家久 累代に渡り「お骨上がり」を続けた島津家
95 毛利元就 高野聖・勢尊法印と師壇の関係を結んだ武将
96 【高野山ゆかりの人物事典】 其の参 浅野長矩・松尾芭蕉・大岡忠相・井伊直弼・市川團十朗
101 第四章・近代 激動の世界情勢と高野山
102 世界へと船出した日本と高野山が受けた試練
106 女人禁制の聖地に赤ん坊の産声が響く
110 【高野山ゆかりの人物事典】 其の四 陸奥宗光・高浜虚子・与謝野晶子・司馬遼太郎
113 第五章 戦国武将と高野山の宿坊
114 無量光院
118 持明院
120 恵光院
122 光臺院
124 蓮華定院
126 蓮花院
130 時空旅人 SELECT SHOP
136 バックナンバー
138 奥付
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